第5回 イヤー・オブ・ザ・カー の巻

 新年です。とうとう、なっちゃったね、2002年に。別になって困るモンじゃないんだけどさぁ。今年もヨロピク。今年1年、もっとオレを好きでいてくれ。つぅーか、好きになってくれ。そして、皆さんの幸せをわけてくれ、さらに借金を肩代わりしてくれ。今年もクドイ30代のダンディズム。こんなオレにも新しい年が来た。なんか民主主義だね。
 さて、実はねぇ、年内にこのコラムを書き上げる予定だったんですよ、はっきり言って無理でした。アハハ。ほとんど書き終わってたのよぉ。でもさぁ、去年書いた文章をですよ、読まされても、うれしくはないわな。そんなわけでイチから書き直しです。ヒャハハ。どうだ、スゴイだろって感じがムカツキますね、スミマセン。読んでる人には関係ないですね、ハイ。

 話しは変わりますが、このコラムもさぁ、意外と読んでいる人がいるのを最近気がつきました。なんと義理の兄が読んでいたのです。エライね義理の兄。義理だけに義理なのかって話しがあるけどな。まあいいや、そんなこたぁ。ありがたいね、身内は。とにかくね、うれしかったんだけどさぁ、会った時に面と向かって言えなかったことがあるんだよねぇ、それはね、『メガネが太いよ兄』。もうそりゃあ極太。ほとんどマッキー極太。夫婦で太かったな、メガネ。あれじゃあメガネ夫婦だな。でもさぁオレっちはアンタの事が好きなんだよ! もっと面白トークしような、今年は!

 そんな義理堅い義理の兄が喜んでくれた前回の血尿話しであるが、あんなに激しく恥辱を受けた割にすぐに全快したのであった。やはりたかが血尿だったのである。診断はやはり尿管結石。でも、どうやら最初のひと出しで石が出ちゃったらしい。すごいな、オレの尿。そして、耐えに耐えたオレのチンコもエライ。血尿直後に黄昏れた自分が何だか愛おしい。だって、びっくりしたんだもん、尿がコーラ色で。結局、病人気分もまま成らぬまま今生に、帰ってきたわけであります。そして、指をニュリニュリ、菊の奥まで入れられた記憶だけが残ったのであった。『菊の記憶〜第一章ニュリニュリ〜』ですよ。みなさんも健康第一主義です。スポーツとかで、爽やかな汗をかきましょう、変な汗ばっかりかいてるとダメね、人間は。とにかく、健康万歳三唱!

 さて、このコラムをサボっていた間にも様々な出来事があったのである。実は私、風になっていました。ウインドですよ、ウインド。早い話しが車を購入しました。貧乏なのに、真っ赤な天井が開く車を。エヘヘ。スポーツカーですぅ、彼女ぉ〜。乗らない? ちなみに乗れるのはボクとチミだけ。いわゆるツーシーターですね。ツーチーターだとダブル水前寺清子だな。エヘッ。まあ柄じゃないんだけどね、車種的に。赤いユーノス・ロードスターですわな。血尿出して、さらに真っ赤な車ですもの。どうやら、赤だったね、去年のテーマカラーは。それでヒララ〜ンとばかりに風になっていたの、ボク。値段はさぁ24万円もしたのよ。世間的にはお安いわね。でも奥様、タクの家計は火の国熊本、違うわよ、火の車なわけですからぁ、そりゃあ大変も大変。オホホ。

 いやあ〜でもね、無理して買ったかいがありましたよ。車はいいよね、どこにでも行けるし。今までさぁ、「もう寝巻きに着替えちゃったから、お出かけできませ〜ん」とかね、あったけどさぁ、もう大丈夫。無理すれば、大分とかも行けちゃうもん。購入してから、覚えたての猿のようにキーキー言いながら運転してます。それでね、車ちゃんなんだけど、値段の割には調子がいいんですよぉ。難点は燃料のメーターが止まってることと、運転席側の窓がすごぉ〜くゆっくりしか動かないことぐらい。あとは快調。そうそう、それとこれは不具合じゃないんだけど、前のオーナーが微妙に手を入れてて、確実にバカみたいな大きな音がするのも、微妙に気になります。ちょっとアクセルを踏むだけでさぁ、ブォ〜〜ンって男らしい大爆音なんですぅ。だから、そんな音が出る度に、周りの車や通行している人に申し訳なくてね、『あぁ〜ん、わたしったらオカマなのに車ちゃんだけ、スンゴイ音で、ゴメン遊ばせぇ〜』ってな感じ。なんでオカマなんだよぉって話しもあるけれど、何故そんな気分になるかは、しっかりと精神鑑定を受けておきます。

 そんなわけで、確かに快適車生活なのではあるが、実を言うとだな、このオープンカーを巡って、オカマ問題以上に問題になっていることがオレの中にある。それは『天井をオープンにできない問題』なのである。まあ分析するとだなぁ、ただ単に恥ずかしいのよ。じゃあ買うなって話しだよな。でもね、言わしてもらうとな、人間って矛盾する生き物なんだよ。納豆とかチーズとかクサイけどウマイじゃん。アレとほぼ同じだよ。納得しない奴は、もっと人間の矛盾をついた例え話しをしてやってもいいけどな。とにかく購入して、ずいぶん経つが2回ぐらいしか、天井を開けたことないのだ。どうもバカみたいなんだよ、天井開いてると。あくまでも仮定だが、多分このオープンカーの天井が開けられないノットオープンカー問題の根っこには、『巨人の星』の花形満の存在があるに違いない。だってさぁ、何だよアイツ。子供のくせにバカみたいじゃん、オープンカーなんか乗っててさぁ。きっとオレの中で花形と一緒にして欲しくないという気持があるのだ。確かにさぁ、止まっている時にコッソリと開け閉めしたりするけどな。でも開けられないんだよぉ。何かものすごく恥ずかしいんだよぉ。写真とか撮る時に『イエーイ!』とか言って、ピースする奴みたいなんだもん。それでも世間にはこのアホ寒い最中に、天井を開けて走ってる奴らも、存在するのも事実。奴らはすれ違い様に、軽く『なんでユーはオープンしないの?』みたいなツラで一瞥してくる。だって花形みたいなんだもん。とにかく、もうちっと暖かくなったら開けるからさぁ、それまでね、記念写真撮る時はピースとかして、オレ自身を慣らしておくからさぁ。ウーム、どうしたものかとモンモンしながら東京は今日 も街中渋滞中、本当に『ここから動かん』車ちゃんとオレなのであった。

Text: 天明晃太郎